三十路リーダーのススメ 佐渡島小木ワークキャンプでの色々

こんにちは、はるです。

今日は前回の続き。

佐渡島 小木での国際ワークキャンプでリーダーをしたときのお話についてです。

 国際ワークキャンプとは、世界中から集まったボランティアが寝食を共にしながら、地域の課題にボランティアパワーでアプローチしていくというもの。


この小木ワークキャンプは、24日間、世界各国&日本から集まった6人+1、が地域の受け入れ団体さんと一緒に活動しました。


ちなみにキャンパーは20歳前後の若いメンバーとリーダーのわたし。+1は途中からヘルプで参加してくれた夫まちゃです。


小木は新潟直江津港からフェリーで2時間弱で着く小木港が位置する地域。

美しい海と港町、背中には昔ながらの里山風景が残る自然豊かなところです。

1 たらい船

佐渡島名物のたらい舟にも挑戦。意外と難しい。

 

2 漁

夜明けとともに漁師体験も

3 キレイ

美しい景観。佐渡の海は本当に綺麗だった。

 

ワークキャンプ中に行うボランティアワーク内容は大きく分けて3つ。

一つ目は、里山整備。

二つ目は、そば打ちワーキャン資金稼ぎ

三つ目は、地域のお祭りでの太鼓演奏


ひとつずつ、説明したいと思います。

 

 【里山と共に暮らしたいです】 

ワークキャンプの開催地、小木地区には学校林と呼ばれるかつての里山があります。

およそ60年前に植えられた杉や松の木が育つ約5haの敷地は、現在「ふるさとの森公園」と呼ばれ、行政の委託のもと地域のNPO森人(もりーと)という団体が管理しています。


この小木ワークキャンプの受け入れ団体はこのNPO森人さん。

森人さんは、下草刈りや枝打ち間伐、遊歩道作りなど里山の景観と環境の保全活動をしたり、地域の子ども会などと一緒に木工教室や季節のイベント等を催されています。


主に活動中のメンバーさんはほぼ60代、50代のおじさんたちで、本職を持ちながらのボランティア。

マンパワーに欠けるところを、ボランティアの力を活用して里山整備に臨む!というのがワークキャンプ開催の大きな目的の一つです。


ワークキャンパーのわたしたちに課されるワークは、この学校林の下草刈り。

約5haの敷地面積全部の下草を草刈機を使って、刈って刈って刈りまくるのです!! 

4 草刈

草ぼうぼうの遊歩道を地道に整備していく。

「下草刈り」はやったことのない若者、ましてはシティーボーイ・シティーガールなキャンパーたちには一大チャレンジ。

いきなり草刈機をしょってガンガンやれる訳もなく、まずは公園内を歩いて周るところからのスタートです。
公園と言っても残念ながらほとんど人の出入りがなく、一帯に草がぼうぼうで、遊歩道があるのか無いのかわからない状態。

背丈よりもはるかに伸びた草を掻き分け掻き分け、やっと何歩か進んでいける・・・みたいなところを歩いていきます。
通常なら遊歩道を歩いて周るのに小一時間で一周できるところ、下草刈り前では公園内を部分的に歩くだけでも2時間!という感じでした。

この段階でキャンパー一同、テンションだだ下がり(笑)。
「ここの草を全部刈るなんてできるわけない!」「歩くだけで熱中症になる!」「虫が多すぎる!!」「わーわー!ぎゃーぎゃー!」てな感じで最悪のスタート・・・。


そんなムードの中、翌日から早速使ったこともない、触ったこともない、見たこともない!草刈機を一人一台もって、草刈に挑むことになっわたしたち。


一人ずつ、草刈機の使い方をチェックして、「Safety first!!」って掛け声かけて、少しずつ少しずつ道を整えていったのでした。


始めのうちはあんなにぎゃーぎゃー言ってたメンバーたちも、いざ始まってみればめちゃめちゃ真剣に取り組んで、全員が毎日汗だくになって動いてくれました。


機械が扱えるようになると「楽しい!」と言って自ら果敢に進んでいくメンバーも。

ランナーズハイならぬ草刈ハイみたいになって、「まだやれる!!」という勢い。

(でも、慣れた頃が一番危ないんですよね。)


やった分だけ遊歩道がキレイになって歩きやすくなり、成果がはっきり見えるのでやりがいもあるワークです。


気持ちよく歩ける緑の絨毯のような道ができてすっきり!

 下草刈をしながら、「どうして草刈りをしなきゃいけないのか」「草刈りしないとどうなるのか」「そもそもなんで植林したのか」とか色々な疑問がメンバーから出てきます。

足りない知識と英語力で通訳説明をしながら、分からないところは森人メンバーさんに聞きながら、出来る限り活動の意味と背景を伝えました。

 

もともと学校を建てるために、と植林されてできたのがこの学校林。

およそ60年前に地域の人たちが一本一本木を植えたそうです。

子どもたちが立派な木造の学校で学べるように、と願いを込めて植えたんだろうね、と話をしました。


今では建材としての材木の需要は激減し、もはや立派に育ったこの木々が行く先はありません。


「うちは、爺さんが植えて育てた木で親父が家を建てた。親父が植えて育てた木で俺は何をしたらいいかわからない。」

そうしみじみとお話をしてくれた森人とのメンバーさんもいらっしゃいました。

 

前の世代から残されたものを引き継ぎ、自分達の次の世代、次の次の世代のことを考えて、里山と共に生きていた一昔前の人々。


わたしたちの世代は、次の世代のために、何を考え、何と共に生きていくべきなんだろう。

そんなことを考えさせられます。


また、森人のメンバーさんには漁師さんやダイバーさんなど海の仕事をされている方も多いです。

それは、「森が荒れると、海が荒れる」ということを身をもって知っているから。


海を守るためにも、森を守らないといけないんです。


そんな思いを聞いて活動の重要性を胸に刻みながら、真夏の暑さと昆虫達にめちゃくちゃにされながら、毎日草刈に励みました。


最終的には指定された敷地5haの下草刈を予定内に終了することができたわたしたち。

チームワークとハードワークで、一丸となってやりきったキャンパー達、みんな良い顔してました。

怪我もなく、無事故で終えられたことが何よりです。

様々な面で指導、サポートしてくださった森人のみなさんにも感謝です。

 

無事にミッションを遂行して、「もう草刈は金輪際こりごりだ!!」って言ってたキャンパーたちも、草がぼうぼうのところを通りかかったら、「あぁ~~、無性に草刈りしたい!!笑!!」って言ったりなんかして、めちゃ可愛い。

わたし個人的にこのワークを通して良かった点は、里山文化への興味関心がさらに強くなったこと。

人が入って手を加えることで生物生態系が豊かになったり、持続可能性を保ちながら自然の資源を有効に使えるようになったり、新しい文化が生まれたり。

そして、真夏の猛暑日でも、里山の中は爽やかに涼しい。
空気がきれいで静か。いつまでもぼーっとできる。

里山があれば生きていける。
生かしてもらえるって思ったものです。


それと同時に、人が手を加え続けることの大変さ、責任の重さも少しは知ることができました。
単純な人間なので、「あぁ、里山とともにある暮らしをしたい」と沸々と思うように。

今は、里山暮らしの伝統と知恵を、何とか少しでも引継ぐ暮らしをしたいなぁ、と思っています。

【本気の蕎麦打ちがもたらすものは】

二つ目のワークは蕎麦打ち。

実はこの小木ワーキャン、ワーキャンの運営資金を自分達で稼ぐという独特な運営方法をとっています。

アースセレブレーション(http://www.kodo.or.jp/ec)という佐渡島一大きなお祭りイベントがあって、3日間の開催期間中に島外、県外からたくさんの人が来場します。

そのイベントで蕎麦屋を出店するのが二つ目のボランティアワーク。


ちなみに、アースセレブレーションの主催は鼓童という世界的にも有名な和太鼓パフォーマンスをする団体です。


ここで蕎麦を販売するために、ワーキャン中に自分達で蕎麦打ちの練習を行います。

10日間くらい毎日蕎麦を打ち続けます。そしてそれを食べ続けます。


素人の若者、外国人が10日やそこら必死に修行したって、売れる蕎麦はできないでしょーと思いますよね。

あなどるなかれ。お蕎麦、めちゃ売れます。しかも、めちゃめちゃ美味い。


なんていったって、材料が良い。

蕎麦粉は100%地のもの、十割蕎麦。

だしをとる、あご(飛び魚)、しいたけ、昆布も全て地元産。


森人のメンバーさんで結成される「蕎麦の会」なるものに、わたしたちは揃って弟子入りし、蕎麦打ち修行の毎日です。

師匠は、「習うより慣れろ!手で覚えろ!!」な職人気質な人なもんで、なかなか大変でしたが、皆頑張って修行しました。


外国人メンバーは「蕎麦ってどうやって作るの?」からスタート。

蕎麦粉のガレットやシリアルは普段口にしていても、麺の蕎麦に、一からだしをとって作るスープになじみがないから仕方ない。


わたしだって蕎麦打ちなんてはじめてで、わからないことだらけ。

この蕎麦打ちに関しては、後から助っ人できてくれたまちゃに大いに助けられました。

 

6 蕎麦屋

お店の配置やデコレーションも皆で考えます。

7 まちゃヘルプ

蕎麦打ち職人まちゃ

この蕎麦打ちも、練習初日は「何これ?蕎麦?うどん?」な状態から、日に日に腕をあげ10日後には師匠もうなずくまずまずの味に。

メンバー一人一人が、蕎麦生地をこねる、のばす、切る、茹でる、だしをつくる、もりつける、売る・・・の役割をそれぞれに担い、立派な蕎麦屋となりました。


三日間で、当初目標としていた数の2倍以上を売り上げ、材料切れでの嬉しい閉店。

お客さんからも「美味しい!」の声をたくさんいただき、常連さんも出来、大評判のうちに終えることができました。


「蕎麦なんてもうこりごりだ!」と嘆いていたキャンパーも、最終日には「蕎麦ってこんなに美味しいなんて!!」と見事に大変身。

はじめのうちは十割蕎麦の価値がわからなかったキャンパーたちでしたが、当日になってお客さんから「十割ってすごいね!」って言われてその価値が理解できたようでした。


ワーキャンが終わってからも、あるメンバーからは「十割蕎麦を探してみたけど、どこにも見つからない!」という声があったり。

わたしも蕎麦に関してそんなに思い入れは無かったんですが、今では大の蕎麦好きになりました。


十割手打ち蕎麦、万歳!!


大変だけど十分やる価値があるんだ!と力説していた師匠の言葉通り、「蕎麦打ち」で日本の文化を学び、本物の蕎麦の味を覚え、メンバーの結束も一層強まり、ワーキャン資金も稼げる。


本気の蕎麦打ちがもたらすものは凄かった!!

渦中は大変だったけど、終わってみればなかなかにやりがいがあり思い出に残るワークなのでした。

 

わたしたちは、夫婦で十割り蕎麦の打ち方もマスターできたので、水がきれいなところで無農薬で蕎麦を育てて、「本物の蕎麦屋」をするのもいいかも!と思ったり。

蕎麦打ちの技術が身につき、今後の人生の可能性が広がるなんて(笑)。


ワークキャンプさまさまです!!

【心に残る、和太鼓の響き】

三つ目のワークは地域のお祭りでの和太鼓演奏です。


これは体験系のワーク。

地元のみなさんや子どもたちと交流し、地域のお祭に参加して日本の伝統文化を肌で感じるのが目的です。


これも毎日、みんなそろって和太鼓のリズムを練習します。

和太鼓の独特なリズムは慣れるまでなかなか難しくて、楽譜があるわけではないし、もうそれこそ何回も練習して身体で覚えるしかないっていうもの。


苦戦していた外国人メンバーも、数をこなすうちにたたけるようになってきて、お祭りでの演奏は日本人メンバー以上に楽しんでました。


そして身体に染み付いたリズムはお祭り後もエンドレスで頭の中で鳴り響き続け、ついつい口ずさんでしまう私たち。


心に残る和太鼓の響き。

これまた日本文化を知る貴重な機会なのでした

8 太鼓練習

体育館で子どもたちとの練習。子どもたちはとても上手。

9 太鼓本番


太鼓を叩き、山車をひいて町を周ります。

 

【わたしはわたし。三十路、これからますます楽しみ!!】

最後に個人的な総括を。

今回、この佐渡島小木でワーキャンリーダーをやれて良かったなって心底思っています。

学生のときとは違った視点で地域に関われるようになったかなぁ、と。

様々な立場の人がそれぞれの思いと関わりの濃淡を持って携わり、その相互作用の中で成り立つのがワークキャンプ。

難しさも含め、楽しんでリーダーやらせてもらいました。


開催地そのものがもつ時間の経過に対する、ワークキャンプという特殊なものがもつ過去と「今、現在」と未来という時間軸での視点。


色んな視点で見るからこそ、色んなことを知りたくなったり、やりたくなったり。


だけど、やっぱり「今」できることに集中することが何より大事。


それを常に意識してオーガナイズしていたのは、30歳になった今のわたしだからできるようになったことかと思います。

 

あと、参加者若者世代(20代前後)と受け入れ世代(50~60代)の間に入ることで、コミュニケーションを促せたかな、と。


お互いを立てつつ、「言うべきことはしっかり言う!」、そのためにも、「やるべきことはしっかりやる!」というリーダーとしての姿勢は、社会人経験が生きた!


そして、何より感謝したいのが、参加キャンパーたち、そして受け入れてくれた地域の方々との出逢い。


キャンパーはみんなめちゃめちゃキラキラしていて。

一人一人個性があってキャラが違うのは当然なんだけど、その違いを生かしあって、補い合って、高めあえるチームワークとバランスがあったメンバーたち。


「頼もしいなぁ~、逞しいなぁ~」と思う場面がたくさんありました。


三十路リーダー、若干距離ができちゃうのかなー?なんて少し不安だったんですが、そんな不安は自分が勝手に持っていただけで、全然問題なく輪に入れてもらえたし(笑)。

二十歳前後の若者たちと三週間も一緒に生活することってなかなかなくて、たくさんの気づきと学びをもらいました。


地域の方々にも温かく受け入れてもらえて、笑ってはしゃいで一緒に楽しくお酒を飲んで、「また来いよー!」って言ってもらえて本当にありがたい。

色々と課題はあるけれど、「また来い!」「また来る!」と言える関係が築けたこと何よりの成果だな、と感じました。


あと、一つ。

今回このワーキャンリーダーの機会をくれたNICEにも感謝です。


予想してなかった展開でバタバタと動くことになってしまったけれど、

いただいたオファーはありがたく受け取って、自分にできることをするのみだな、とつくづく思いました。

 

そこから拡がる可能性は計り知れないし、やったからこその学びってたくさんある。

ちなみに、自分で言い出した「三十路リーダー」という響き、わたしはなかなか気に入ってます(笑)。

ワークキャンプのリーダーって、若い学生がやってこそだ!と思っていた少し前のわたしに渇をいれたい。

「三十路こそ、進んでワーキャンリーダーやったらいいよ!」

若者パワーをもらって元気になること間違いなし。リーダー不足らしいワークキャンプ業界、掘り出し物の「三十路リーダー」リクルート、いいかもしれませんよー!笑


旅から帰ってきたこのタイミングで、時間はあるし、予定は未定すぎるわたしだったので舞い込んできたこの機会。

その機会を生かすも殺すも自分次第。


そんな機会をしっかりと掴んでものにできるように、今後もフットワークも気の持ち用も、軽くあり続けたいです。

 

12 二人で参加

祭にはビール!10年前に夫がリーダーしてたところで今度は自分がリーダーするとは。夫婦で関われて幸せですね。

最後に。

キャンパーはじめ、出逢った人と話をしていて、「社会人としてどう思う?」とか「結婚してる身としてどう?」とか、「日本人としては?」とかとか、色々聞かれる中で感じたのは、

やっぱり、結局は「わたしとして」っていう答えしかできないな、ということ。


誰もが様々なカテゴリーを背負ってはいるものの、やっぱり「わたしはわたし」でしかないと思う。


型にはまらず、縛られず、自由で大きな流れの中で、わたしスタイルで今後もいこう。

改めて、そう強く思ったのでした。

 

そういう訳で、ヴィパッサナーからのワークキャンプリーダーで始まったわたしの30代。

何が起こるかわからないけれど、楽しみでしかないな、ということです。

10 釣り

海釣りもさせてもらいました。

11 あじ さば

アジが大漁。鯖も釣れた。お刺身もたたきも塩焼きも南蛮も全部美味すぎた!

ワークキャンプについて、さらっと書くつもりでしたが、めちゃめちゃ長くなってしまいました。次回より、すっきりさっぱりいきたいと思います。

ではまた!

はるみ

 

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